コーチングという言葉は、最近、とてもよく耳にするようになりました。
ようやく「コーチをしています」と自己紹介しても、「?」という顔をされることはあまりなくなってきました。
その分、「コーチ」や「コーチング」は、いろいろな意味で使われているとも感じます。
ここでは、私が考えるコーチングについてご紹介します。
また、よく頂くご質問に対するお応えも書いておきたいと思います。目次からどうぞ飛んでください。
- コーチングとは何か
- コーチングで得られるもの
- 「このままではヤバイ」から「このままでも大丈夫。自分は今どうしたいかな。」へ
- コーチング・セッションはどんな時間か
- コーチングのテーマ
- コーチングの価値
- コーチングの効果の持続性
- コーチングの始め時
- コンサルタント、アドバイザー、メンター、カウンセラーとの違い
- けいこのコーチング・セッションのスタイル
コーチングとは何か
国際コーチ連盟(ICF)では、このように定義しています。
コーチングとは、思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くことです。
対話を重ね、クライアントに柔軟な思考と行動を促し、ゴールに向けて支援するコーチとクライアントとのパートナーシップを意味します。
また、「コーチング・バイブル」(第3版)では、こんな風に言っています。
コーチングの核心は何かと問われれば、それは発見と気づきと選択をもたらすことである、と私たちは答えるでしょう。それは、人々が自らの答えを見つけ、人生に豊かさと変化をもたらすような選択を繰り返すことによって自らの道を歩むことができるよう、効果的にサポートするための手法なのです。(p.10)
コーチとクライアントの関係は、クライアントのニーズを満たすことを目的として結ばれた対等なパートナーシップであり、実際には「同盟」とも言うべき関係です。(p.22)
コーチは、ある意味で、クライアントの人生に変化をもたらす「触媒」、チェンジ・エージェントであると言えます。(p.37)
難しい言葉が並びますが、ものすごくシンプルに言えば、
クライアントの充実した人生のために、コーチとクライアントが協働して、その結果、クライアントに本質的な変化が起きる、と言えるかなと思います。
ここで一つ、とても大事なことは、コーチングはコーチとクライアント双方の協働によって成り立つということです。
ただマッサージを受けるようなつもりでゴロンと寝てしまっては、セッションは成立しません。
コーチと一緒にこの関係性をつくって頂くことが大切です。
そのためにクライアントにできることは、例えば、正直でいること、コーチの問いや提案も使いつつ自分の世界を探求すること、宿題として合意したことはトライしてみること、などがあります。
コーチングで得られるもの
結局のところ、何が得られるの?というのが、大事なご関心事項かと思います。
私自身の(コーチとして・クライアントとして双方の)体験から書いてみます。
- 自分にとって本当に大切なものが何であるかが明確になる。
- 自分の命・エネルギーを何に注ぎたいのかがわかる。
- それを大切にして生きていくことができるようになる。
- そのために勇気ある行動が取れるようになる。
- 自己制限的な思考から解放されて、自由になる。
- いろいろな思い込みから解放されて、世界が広がる。
- どんな自分も自分であると認められるようになる。
- ぐるぐるぐるぐる考えているところから、行動に移せるようになる。
- 自分ひとりでは思いもつかなかったような可能性に気づく、開花する。
- 人ともっとつながりを感じて生きることができるようになる。
- 過去の傷も、今を生きるエネルギーに転換していくことができるようになる。
- 「考える」だけではなく、「感じる」ことから得られる知恵を人生に生かすことができるようになる。
上記のようなことの結果、
- 既定路線ではなく、自分の人生を自分で創っていくことができるようになる。
- 自分軸で生きることができるようになる。
- 「頭でわかる」世界から、「心と体で知っている」という世界へ。
- 無理していないのに、人生が加速する。ダイナミックになる。
- 人生が面白くなる。
- 人生に豊かさを感じることができるようになる。
「このままではヤバイ」から「このままでも大丈夫。自分は今どうしたいかな。」へ
自分を取り巻く外部環境の条件が何一つ変わらなくても、セッションを通じて上記の変化は起きます。
今までと同じ職場・収入・家庭であっても、コーチングの結果、その向き合い方、味わい方、楽しみ方が変わってきます。
もちろん、転職や起業、結婚・離婚などの大胆な行動をとっていくことも起こり得ますが、コーチング前後では、そのときの動機や動き方が異なってくると思います。
コーチングを始める前によくある思考は、
「このままではヤバイ」、「ここにいてはマズイ」
だから
「とにかく何かしなくては」、「とにかくこの状態から抜け出さなくては」
コーチング・セッションを重ねるにつれて、
自分の考え方、自分の物事の捉え方、自分の感情との向き合い方などが変わってきます。
その過程で、そのマズイ状況をつくっていることに、実は、自分も加担していることに気づくことになると思います。(それに気づく時はちょっとイタイかもしれません。)
そして、気づいた後は、そこから自分の物事への取り組む姿勢、人との関わり方を変えていくことができるようになります。
外部環境は変わらないはずなのに、自分の充実度、満足度、幸福度は変わっていくはずです。
不思議なものなのですが、そうすると、次の幸せが寄ってきます。
今自分に足りないものがあるから、何かを獲得しに行かなくてはならない、という焦りや強迫観念という「怖れ」から、外部に解決策を求めて行動しようとするのではなく、
今のままでも何かが欠けているということはないが、自分の力を、もっとワクワクするもの、意味あるものに注ぎたいという、「喜び」の気持ちや「使命感」から、内側から湧いてくるエネルギーに突き動かされるように行動するようになります。
コーチング・セッションはどんな時間か
どうしてクライアントにそんな変化が起きるのか。
セッションでは何をやっているのか。
私は、セッションは、コーチとクライアントのGenuineな(偽りのない、本当の、心からの)対話の場だと思っています。
そして、そのセッションでは、クライアントご自身も、コーチも知らない、クライアントの内面の世界を一緒に探求しています。クライアントが無意識の世界を探求できるスペースをつくり、一緒に心の声を聴いていきます。
自分で既に知っている情報を整理するためだけにコーチを雇うのは、もったいない。
自分でも答えが見つけられないもの、自分でもまだよくわからないもの、そんなものこそ、是非コーチと一緒に探求してみてください。
きっと、ご自身でもびっくりするような、「AHA!」の体験があると思います。
なお、コーチもその行く末は知りません。誘導するのではなく、一緒に探検していきます。
コーチングのテーマ
何でもテーマになります。
私のクライアントの方々は、きっかけとしては、キャリアについてという入り口が多いです。
何かしらの入り口はあると思いますが、コーアクティブ・コーチング®️では、「その人すべてに焦点」を当てます。
ですので、セッションの中で、家族関係・友人関係なども自然と触れていくことになったりすることがあります。(クライアントの方に許可を取りながら進めていきます。)
人は、オン・オフなどそんなに切り分けられる存在ではありません。
全てがあなたを構成するものですし、実は根本では全部繋がっています。
テーマは毎回のセッションでクライアントさんに決めて頂きますが、例えばよくあるのはこんなことです。
- 何かしたいと思うが、何がしたいのかわからない。
- 何か始めなくてはと思うが、何をすべきなのかわからない。
- 頭ではこうした方がいいと思うが、気持ちと体がついてこない。またはその逆。
- 漠然とした不安・モヤモヤがある。
- この不安・恐怖をどう解決していいのかわからない。
- 自分ではわかったつもりになっているけれども、もっと知らない自分も見てみたい。
私は個人的には、こんな方々に関わらせて頂くことにやり甲斐を感じます。
- もっと面白く生きたいのに、踏み出せない。行動パターンを変えられない。
- 他人からはそれなりに充実・成功しているように見えるのかもしれない。でも、自分自身は実はそうは思っていない。
- このまま今までどおりに年齢を重ねて、出向・定年を迎えるのは嫌だ。
- 楽しそうに生きている人たちのことが、実は、羨ましい。
- 本当は、もっと自分を使いたい。もっとできることがあるような気がする。でもそれが何だかわからない。わかっているような気もするけど踏み出せない。
自分自身も、もともと、コーチングに出会う前はこんなことにモヤモヤしていましたので。
コーチングの価値
コーチングの料金は、現在は、1回あたりの金額で掲載させて頂いていますが、これは便宜上、と考えて頂いた方が本来は正確と思います。
というのも、コーチングの価値は1回のセッションだけにあるわけではないからです。
コーチングは、セッションとセッションの間にも起きています。
セッションで気づいたことを、次回セッションまでに現実世界で試してきます。
その時、セッションでのコーチとのやりとりがきっと背中を押してくれます。
そして、その現実世界での実験がうまくいっても行かなくても、次回のセッションでそこからの学びをふりかえることで、その取り組みをより意味のあるものとして自分の体に刻み込むことができます。
コーチは、セッションでクライアントと話している時以外も、コーチング関係にある間、つまり完了セッションまで、この本質的な変化が起きる器としての関係性をずっとホールドしています。
コーチングの効果の持続性
コーアクティブ・コーチング®️に関して私が自信を持っていることは、ここで起きる変化は「本質的な変化」であり、リバウンドしないということです。
人生を通じて、この変化の効果を享受できます。
ここでいう「本質的な変化」とは、転職、留学、結婚などの外形的な話ではなく、物事の捉え方や行動のパターンなどのことです。
とても強い癖は引き続きあると思います。それは個性でもあります。けれども、それが自分の人生に役立っているかどうかに聴き耳を立てたり、何がそれを引き起こしているのかに気づいて対処ができるようになっているはずです。
コーチングの始め時
上記のとおり、コーチングで起きる変化はその後の人生でずっと活きるので、コーチングはいつ始めたらいいですか?という問いには、「思い立ったら是非その時に!」とお答えしています。
だって、同じ金額をかけたとしたら、残りの人生が1日でも長い方が、費用対効果が高いですから!
そして自分自身の可能性を広げたら、その先には今までには思いもしなかった、もっと面白い可能性が広がっています。
コンサルタント、アドバイザー、メンター、カウンセラーとの違い
これはよく頂く質問です。私は、以下のように認識しています。
コンサルタントは、問題を分析し、解決策を提示し、場合によっては、手となり足となり一緒に問題解決もしてくれる人。
アドバイザーは、アドバイス(助言)をくれる人。その人自身の知見もあるでしょうし、アドバイスをするために調べてくれるときもあると思います。
メンターは、自分自身の経験をもとに、アドバイスをしたり、寄り添ったりしてくれる人。あなたに代わって調べものなどはしてくれないと思いますが、その人の経験から学びたい時や、同じ境遇を実体験として理解してくれているという安心感が欲しい時に頼れる存在と思います。
カウンセラーは、健常者ではあるけれど一時的にメンタルが不調の状態にある方を対象にします。もし、目の前のストレスが大きすぎて心身に不調を来しているならば、コーチングよりもカウンセリングの方が良いかもしれません。こういう時は、まずはストレスの回避・軽減が最優先です。
コーチは、答えも知恵も、あなたの中にあると信じています。
また、困難に直面しても、その困難を乗り越えられる人だとも信じています。
好奇心を持ってひたすらあなたの心、体、魂、エネルギーに耳を澄ませ、今はかかっているモヤが晴れたり、こんがらがったりしているものを解いていくのを手伝います。
コーチとは、そういうスペースをつくり出したり、耳を澄ませることができるプロです。
なので、必ずしもあなたの悩みの事柄についての専門家である必要はありません。
コンサルタントやメンターと違って、あなたと同じ体験からくる知識や情報は持ち合わせていないかもしれませんが、そういう知識や情報はない方が、下手に助言をせず、純粋な好奇心からの関わりができて有効である場合も少なくありません。
カウンセラーは、クライアントが見ている世界観に寄り添い、それを受け止めていきます。コーチもそれをするのですが、その上で、新しい視点を投げかけたり、もしそれがクライアントの成長や目を覚まさせるために必要だと思えば、挑戦や要望といったちょっと強い関わりをすることもあります。
なお、上記のいずれの方々の中にも、コーチ的な関わりをする方々もいらっしゃると思います。コーチングスキルを兼ね備えたコンサルタントやアドバイザー、メンター、カウンセラーは、そうでない同業の方々と比べて、クライアントの状況に成長度合いに合わせた関わりをされるのではないかなと思います。実際、こういう方々が、CTIジャパンのワークショップにも沢山学びに来てくださっています。
けいこのコーチング・セッションのスタイル
コーアクティブ・コーチング®️に基づいたコーチングをいたします。
Bigger Game(ビガーゲーム)及びザ・リーダーシップ・サークルという概念も、必要に応じて用います。
クライアントへの関わりでは、誠実さ と 遊び心 を特に大切にしています。
もともとが左脳型・論理思考の人間なのですが、コーアクティブに出会って、右脳や直感、体の知性を使うことのパワフルさを知り衝撃を受けました。
自分のコーチングでも、直感、比喩を多用し、体もよく使います。
最初は慣れないかもしれないですが、是非一緒に試してみて頂きたいと思っています。
いかがでしょうか。
コーチングについて、知りたかったことは得られたでしょうか。
この他、クライアント様の声も、コーチングが何であるかを知るのに、助けになると思います。
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とはいっても、百聞は一見にしかず、ならぬ、百見は体験にしかず。
一番よく知るには、始めてみるのが一番とも思います。
少なくない投資かもしれませんが、残りの人生、本当に大事なものにお金と時間とエネルギーをかけるための投資、それらを無駄遣いしないための投資、と考えると決して高くはないことをご理解頂けると思います。(ご参考:コーチングの経済効果(個人編)、生きるお金、死ぬお金)
「コーチングの流れ」をお読み頂いた上で、お気軽にお問い合わせください。
よりよく生きる旅をご一緒できるのを、楽しみにしています。